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犬を迎える時に犬種や役割を知っていると良いですよの話。
こんにちは、東京都品川区にあるトリミングサロン「犬の美容室NORWICH(ノーリッチ)」です。
朝晩はだいぶ涼しくなり、ワンちゃん達もお散歩がしやすくなってきましたね。
今回は、犬を迎える時をテーマに、犬は沢山の種類がいるということを知ってほしいなぁ…なお話です。
世界には400~800種類の犬種が存在すると言われています。(数字の幅があるのは、専門家でも色んな意見があるからのようです)
見た目や飼いやすさなどで人気の犬種は勿論あると思いますが、私は常々、これだけ種類がいるなら、自分にベストマッチな犬がいるんじゃないかと考えており、お店に行ってその中から決めるのではなく、まずはどんなワンちゃんを迎えたいか、その犬種の特性、それが自分に合っているかを考えてからお店やブリーダーを訪れると良いのではないかと考えています。
子犬と成犬では見た目も変わりますしね。テリアは子犬よりも成犬がカワイイく美しいと思っていますし(あくまでも個人的な意見です)。
では、どんな種類がいるのかということですが、ジャパンケネルクラブなどでは各犬種を10のグループに分けています。
〇1G:牧羊犬
牛や羊の群れを誘導したり、家畜を守る犬です。羊を誘導する動画など見たことのある方もいるかもしれませんが、高い運動能力があり、人からの指示を受けるのが好きな犬種です。
ボーダーコリー、シェットランドシープドッグ、コーギーなどで、警護犬のイメージが強く2Gっぽいですが、実はシェパードも元々は牧羊犬です。
ドレッドスタイルのコモンドールのような犬種は、オオカミからの攻撃から身を守るためにドレッドになっています。
〇2G:使役犬
警護や救護をする犬で、牧羊犬の役割も持つ犬もいます。ドーベルマンなどの警護系の犬は、忠実で周囲への警戒心や判断力が高く、勇敢な性格が多いとされており、山岳救護や荷物を運ぶ犬達は穏やかで辛抱強いという子が多いようです。仕事の内容を考えると、超大型犬が多いというのもうなずけます。(ミニチュアピンシャーなど例外もありますが)
ドーベルマン、シュナウザー、ボクサー、セントバーナード、バーニーズマウンテンドッグなどで、凶暴な犬というイメージの強いマスティフも、元々は警護をする犬でした。
ただ、その勇敢さから闘犬や軍用犬に使用されるようになり、悪いイメージが先行してしまったようで、少々悲しいです。
山岳地帯で働く犬(バーニーズなど)は通常より爪の数が多かったり、海辺で働く犬(ニューファンドランド)は水かきのようなものがあったり、悪天候にも耐えられるコートを持っていたりというのも、その犬達の役割から出来上がったものと考えると、面白いなと思います。
〇3G:テリア
穴の中などの小型獣専門の猟をしたり、ネズミなどの害獣駆除が仕事の犬で、我が家の子もそうですが、ちょこちょこ動くものへの反応が凄いと思います。
テリアの性格について調べると、だいたい勇敢、勝気、恐れを知らない、頑固、粘り強い…と、いわゆるテリア気質というものが挙げられます。
これは、猟の中でも、他の犬種は獲物を追い詰めるとか、獲物の場所を教えるとかするのに対し、テリアは獲物を仕留める役割だったというところから、こういう気質が求められたと考えられます。
小型ですが体力もあり、ジャックラッセルテリアは軽自動車にF1のエンジンを乗せていると表現されることがあるくらいです。
見た目について言うと、他の犬に比べテリアは胸がフラットになっています。これをテリアフロントと言いますが、穴に入った時などに、コンパクトに足を折りたたんだり出来るようにそういう形になっています。
〇4G:ダックスフンド
このグループはダックスフンドだけという珍しいグループ。
穴に住むアナグマなどの猟をする犬で、アナグマを追い詰め、人に知らせるという役割をもっていたそうです。
ビーグルなどのハウンド的な要素も持ちつつ、テリアのような役割もあり、そういったことからも、他のグループに割ることが難しかったのでしょうか?(詳しく分からず💦)
〇5G:原始的な犬・スピッツ
日本犬などを含む、歴史の古い犬達やオオカミなどにも近い種類です。スピッツは尖っているを意味をし、シュッとした顔の子が多いです。
柴犬、スピッツ、シベリアンハスキーなどで、古くから猟に使われることも多い種類で、忍耐力があり、献身的で忠誠心が高いとされています。
ファラオハンドなどは、エジプトの壁画に書かれている犬そのものという感じです。
これは個人的な感覚ですが、日本犬の換毛期の毛の抜け方は、四季や寒暖差がハッキリしているせいなのか、他の犬にはあまり見られない独特な抜け方のように思います。
〇6G:嗅覚ハウンド
遠い獲物を探し出すことが出来、大きな吠え声と臭いをたどることで猟をする犬達で、群れ(パック)で猟をする種類と、1匹または少数で猟をする種類がいます。一山超えたりするくらいの体力も持ち合わせています。
ビーグル、バセットハウンドなどで、群れで活動する役割だったこともあり、多頭で生活するのにも向いている種類と言えます。
また、遠い所から吠えて知らせることが出来るため、私も初代はビーグルでしたが、とにかく吠え声が大きく、ずっと吠えていられるという…。(いつの間にか不思議とその声もうるさく感じなくなりましたが…麻痺とも言う:笑)
鼻の良さから、日本ではビーグルが検疫探知犬として活躍しています。
〇7G:ポインター・セター
猟の際に、獲物を探し、追い込んだり仕留めたりするのではなく、獲物が逃げないよう、静かにその場所を飼い主に指し示す役割をする犬で、ガンドッグ(銃の犬)ともいいます。
イングリッシュポインター、アイリッシュセターなど、名前にセター・ポインターとつくことが多く、セターはセッティング(フセをして待つ)、ポインターはポインティング(低い姿勢で立ち止まり片足を上げる)から来ています。
自身で考える能力が高く、作業能力や訓練による反応が良いとされています。
余談ですが、たまにうちの子が片足を上げて止まっている時、ポインターだなと思います(違いますテリアです)。
〇8G:7G以外の鳥猟犬
7グループ以外の鳥猟犬で、獲物を回収すること(レトリーブ)にたけている犬種たちです。
アメリカンコッカ―スパニエルや、レトリーブ=レトリーバーもこのグループです。
獲物を傷つけることなく口にくわえて運んで来れるということで、以前、割らずに卵を咥えられるかという「卵チャレンジ」というのが流行っていたので、興味のある方はトライしてみてください。(うちの子は恐らく瞬間で嚙み潰します:笑)
水面に落ちた獲物を取りに行くことも得意だったので、レトリーバーが水を見るとつい飛び込んでしまうのはそういうところからも来ています。
〇9G:愛玩犬
とにかく可愛がりたい犬達です。
チワワ、プードル、マルチーズなどで、日本ではヨークシャーテリアはテリアグループですが、イギリスのケネルクラブではトイグループに属しています。逆にプードルは違うグループだったりはしますが…。
可愛がられることに長けている種類なので、抱っこしたり、遊んだり、人との触れ合いなどにも慣れており、コートも作業効率ではなく、見た目重視なので、美しい姿の犬種が多いです。
人が手をかけるための種類と考えると、定期的にお手入れが必要、放っておくと毛玉になってしまうというのもうなずけます。
〇10G:視覚ハウンド
視力と走力で獲物を追う犬種です。
他の猟犬は見通しの悪い林や山など、音や臭いが大切な場所での猟でしたが、この犬種は広大な草原や砂漠での猟を行うため、ガゼルやウサギのスピードに追い付くためのスピードと目の良さ・視野の広さが求められました。
グレーハウンドやボルゾイなどの、とてもスタイルの良く、あのくびれほしいなぁ…と思わず思ってしまうような犬達です。
実際に走っている姿を見たことがありますが、かっこいいですし、トップスピードで長い距離を走れるというのもすごいと思います。
現代では、特に日本では、どの犬種も愛玩犬になっており、ちゃんとしたブリーダーは性格も安定させていますので、飼いやすくなっているとは思います。
ただ、根底には犬種ごとの歴史や役割があるので、それを知っているだけでも、犬の選び方・迎え方が違ってくるのではないでしょうか?
例えば、一緒に山登りをしたいならバーニーズのような犬は得意かもしれません。スポーツをしたいなら運動能力や訓練性能の良いボーダーコリーやプードルが良いかもしれません。多頭飼いをしたいなら気の強いテリアは向かないかもしれません。吠えると困る住環境だと、吠えやすいダックスフンドやビーグルは向かないかもしれません。
自分の生活、趣味、好みを考えながら、どんな犬種がいいか想像するのも楽しいと思いますので、冒頭にも書きましたが、お店で見て決めるのではなく、飼いたい犬種を決めて勉強してから迎えてもらえると、少なくとも、こんなに吠えると思わなかった、こんなに気が強いとは思わなかった…ということは減るんじゃないかと思います。
また、保護犬を迎える場合もあると思いますが、その話は長くなってしまうので、どこかで書けたらと思いますが、その場合も、ただ可哀そうだからではなく、保護犬を迎えるとはどういうことか学んだ上で迎えられるとより良いのかなと思います。
犬の美容室NORWICH 矢羽